新たな農業の形を目指して、70歳で株式会社を設立した島のみんなの兄貴分

古市道則
プロフィール

古市道則さん

リーフ古市

種子島出身、50歳でUターン。長年しきみ・ひさかきの生産に携わる。種子島しきみ生産組合の組合長、鹿児島県の指導林家で、全国表彰も受けたほどの人物。70歳前にして株式会社を設立するなどパワフルな一面、冗談ばかり言ってお茶目なところもあり、「みっちーさん」の愛称で老若男女問わず愛されている。

目次

日本の仏事・神事に不可欠な作物

「しきみ」「ひさかき」と聞いて分かる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
実は、仏壇や神棚にお供えする葉っぱ(枝)なんです。
古くから日本全土の山に生えていたしきみ・ひさかきですが、お墓の手入れをする方々が高齢になり、山を登って採りに行くことが困難になったことで、平地での栽培が始まったといいます。

「農業」というと食べ物のイメージが強いと思いますが、日本の仏事・神事に欠かせない作物も栽培されているんですね。

実は、日本で流通しているしきみ・ひさかきは中国産が多いです。ただ、日本の神様に供えるものが、外国産で良いのか?というところで、近年国産の需要が高まってきています。
全国で採れるしきみ・ひさかきですが、「種子島産のものは色が良い」と人気だそうで、お盆やお正月には間に合わないほどの発注依頼が来るとのことです。

神棚の両端に飾られている枝が「ひさかき」。仏壇には「しきみ」を供える。

しきみ・ひさかきの農業としての可能性

種子島でいち早くしきみの可能性に気づいたみっちーさんは、自身の栽培面積を広げつつ、指導農家として多数のしきみ農家を育成してきました。
現在は、種子島しきみ生産組合の組合長を長年勤めていらっしゃいます。

しきみ・ひさかきは”農業”という視点においても大変優れた作物です。

まず、作物というのはだいたい年に1回の収穫が主で、農家の収入は収穫時のみということが多いですが、しきみ・ひさかきは木の枝なので、年中収穫ができます。

また、トラクターなどの大型機械やビニールハウスが不要で、初期投資が少なく始められます。
しきみは毒性があり虫も寄り付きにくいため、病気の発生が少ないという利点もあります。

こういったことから、しきみ・ひさかきは、ゼロから新たに農業を始める人や、高齢からでも始めやすい作物なんです。

ひさかき作業
収穫してきた「ひさかき」を束ねる作業中のみっちーさん。雨の日でも屋内作業が出来るのも利点

大物だけど、親しみやすい。若者からも好かれる特殊能力

種子島から、関西・関東への多くのしきみ・ひさかきを出荷している「リーフ古市」。需要が高く、注文数が多いため1軒の農家では対応しきれず、しきみ生産組合の組合員のみなさんと協力して出荷しています。

受注管理・出荷のとりまとめから、営業にも出向くみっちーさん。70歳を超えて、このパワフルさに頭が下がります。

枝物栽培の種子島トップということで、みっちーさん家の倉庫にはいつもたくさんの人が出入りしています。単なる栽培技術や肩書からというよりも、訪れる人みな「みっちーさん」と呼び、その人の良さ、周りを安心させるおおらかな性格や笑顔が、人々を惹きつけるのだと思います。

2016年から、絶え間なく村おこしボランティアの学生も受け入れてきています。

みっちーさんは、「孫がたくさん出来たようで嬉しい」「ボランティアで来てくれる子は一生懸命やってくれる」と、いつ何時も学生を快く受け入れてくれます。

参加者たちからも本当に人気者で、「みっちーさん大好き!」となって帰っていく子が本当に多いんです。

みっちーさんとボランティア参加者
ボランティアの参加者たちと。若者からも人気のみっちーさん

種子島弁の使い手で、最初はスムーズに会話するのが難しいですが、それもみっちーさんとの交流の醍醐味です。

しきみやひさかきは、なかなか聞き慣れない作物ですが、体験したらみっちーさんを好きになること間違いなし。ぜひ一度、リーフ古市へお越しください!

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